野辺山高原  天界が下った地へ、人は上る。

通常の鉄道路線では日本一標高の高いところ(1374m)と、
日本一標高の高い駅(野辺山駅/1345m)を擁する野辺山高原。
一般的には山頂にあたるような高さに、広大な野菜畑が広がっています。
「パターソンの絵のようだ」ここを訪れたベテランサイクリストの何人もがそう口にされました。

私も、自転車で初めてここを通過した年の翌年、2004年にタンデムを車に積んで訪れてましたが、
それ以来、毎年のように通っています。地元の人しか知らないような道も走っていると思います。
拙著『スローサイクリング』(平凡社新書)の冒頭部分にも、ここ野辺山高原のことを書かせてもらってます。


※この記事をアップした2008年11月現在、駅の周辺でも標高1300mを超える野辺山は
 すでに相当寒冷な気候です。通常のサイクリングに適切なシーズンは、来年の晩春以降と思います。

2004年6月に初めて訪れたときの画像です。
ともかく空が広いし、道はずっと先まで見えるし、静かだし。
このときもハルゼミか何かが鳴いてるだけでしたね。

野辺山の道は、基本的に農道として使われているところが多いので、一部進入を遠慮すべきところもあり、また大きなトラクターの通行や、農薬の散布には注意しなければなりませんが、農家の皆さんはやさしい方が多く、わざわざ散布を止めてもらったこともあります。国道や駅の周辺からちょっと入っただけで静寂のエリアなのですが、同時にそこは農家の方の仕事場でもあるわけなので、その点を忘れずに愉しみたいものです。


画像のヤマナシの木の周囲は少し様子が変わり、残念ながら現在は枯れかかっています。最近は老木などに不用意に自転車を立てかけないよう、留意するようにしています。
野辺山の広大な野菜畑でよく見かける風景。
高い塀のような防風林の梢が特徴的です。
道によっては、こういう防風林が数百mおきくらいに
現れたりします。

同じ年の翌月に訪れたときは、雷雨になってしまい、
途中で避退。だだっぴろい畑の中での雷は危険です。
雷雨が上がってから、少し走りました。
場所によっては谷筋もあったりしますが、
野辺山駅の周囲はおおむねゆるやかな起伏の
テーブル状の高原でありますね。

※画像は撮影のためにタンデムを自歩道上に
乗せたもので、ここを通行したわけではありません。
野辺山は酪農でも有名なところ。高原野菜の畑だけでなく、
牧草地もかなりの面積があり、北海道的風景もみられます。
野辺山駅の西の方向にある「滝沢牧場」など
サイクリング中に立ち寄るのもいいですねえ。
美味しい牛乳やアイスクリームが食べられます。
野辺山を訪れたとき、必ずと言っていいほど立ち寄るのが、野辺山駅前の通りをちょっとだけ北側に行ったところにある、
喫茶レストラン「ピクニック」。
私とかみさんはこちらの大ファンで、
おすすめは「ロースしょうが焼き定食」。
画像の状態だと、ごはん大盛りですね(^^)。
野辺山は、駅や集落があるようなところとしては、
本州でも最も冷涼なところでしょう。
冬季は氷点下20℃ぐらいになることもあるそうです。
普通にサイクリングして快適な時期は、6月〜9月。
5月上旬や10月は、ほとんど冬に近いです。
北海道と同じような感覚でしょうね。

野辺山は分水嶺でもあるのですが、国道には峠名が
ありません。少し東側に平沢峠という峠があり、
こちらの標高は
1450mです。

画像はその平沢峠で撮影。背景は八ヶ岳山麓です。
ゴールデンウィークなのですが、ほぼ冬の感じでした。
詩的な鉄道風景も、野辺山の見どころのひとつ。
人がいるのは国鉄最高地点ぐらいのもので、
あとは本当に静かなものです。
小海線は非電化なので、すっきりした風景が多いですね。

※画像は警報機のある踏み切り上で列車の来ないときに撮影したものです。

中世の空気感とは、こういうものだったかもしれませんな。

拙著『スローサイクリング』(平凡社新書)についてはこちら。

Copyright © 2008 Kazuya Shiratori All Rights Reserved



お気に入りスローサイクリングエリアのトップに戻る


トップページに戻る

inserted by FC2 system