サンプレックス スーパーLJ フロント変速機  Simplex Super LJ  (FD)

このサンプレックス・スーパーLJのフロントは、高校3年ぐらいのとき
に、知り合いの同じ年恰好のサイクリストから、もらった。ありがとね。
なので、ほぼ30年ぐらい私の手元にあるということになる。

当時は、ズノーのツーリングフレームに装着して、ユーラシアからそ
っくり移し変えた駆動系、48-34のチェーンホイールを動かしていた。
まあ2段でそれくらいのキャパシティなら、問題なく動いた。なんせ、
フリーは5段、前後で10段が普通だった時代である。

個人的にこのFDに思い入れがあるのは、1979年の9月に3泊4日の
旅に出たとき、これを付けていたからだ。後年、さまざまな意味で不思
議な縁を頂戴することになる長野県の飯田市にも、この変速機を装着
したズノー・ツーリングで立ち寄った。そういう思い出があるせいか、こ
のFDは、現在も私の手元にある。

当時のサンプレのFDは、フランス規格の26.0o径のシートチューブ用
のものが出回ったことがあった。
私もこの画像のSLJをもらう前に、隣街までコンペティションか何かのFDを買いに行って、大喜びで装着しよう
としたら、付かない。がっかりしてもう一度自転車を走らせ、買ったプロショップで説明して、返金してもらった
ことがある。このSLJは、ややバンドがきつかったが、そう無理せずに装着できたように記憶している。

アウター引きの仕様だったので、当時のズノーのフレームにはちょうどよかった。中古だから、一部代用と思
しき
スモールパーツが付いていたりしたようだったが、そんなこと全然気にしなかった。こんな高級な輸入も
ののFDがもらえただけでも、大喜びだったのだ。ちなみにRDのほうは、確か同じサンプレのS001T/Pあたり
で、これはプレステージクラス、見栄えはそれ以下という具合だったから、だいぶ前後で差のあるアッセンブ
ルだったわけだ。

1993年にズノーをレストアしたとき、FDのアウター引き用のカップは取り去って、BB下にシマノワイヤーリード
を付ける仕様にしたので、このSLJの出番はなくなった。レストアした車では、なんとしてもインナー26Tを使う
つもりであったから、どのみちキャパシティも変速性能もまるでおっつかないのである。

その後一時期、トリプルが動かせるサンプレのFDが欲しいなあ、と思った時期もあったけれど、別項に書いた
ように、カンパ・レコードのFDと出会ってからは、そういう気も萎えた。サンプレのFDに関しては、なかなか難し
い面もあるようだ。

いずれにしても、このSLJが再び自転車に付けられてその機能を発揮するくことはないように思われる。でもお
かしなもので、レストアされてしてきれいになり、その後しばらく使ってあちこちに出かけたズノーのフレームよ
りも、この小さな部品のほうが、当時の1979年の思い出に、より強く結びついているような気がしてならない。



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